こんにちは。カウンセリングルームcoco-caraです。
会社で意見が合わない人がいる。
ママ友の中で嫌いな人がいる。
夫・妻(恋人)と上手くいっていない。
・・・そんな人間関係のモヤモヤした気持ちの中で、今過ごしていませんか。
「もう、会社辞めようかな」
「あのママ友の集まりには、距離を置こうかな」
「別れようかな」
一瞬よぎる思いが、だんだん膨らんでいく。
その反面、
「会社を辞めたところで、何か変わるだろうか」
「子どもの事を考えると、ママ友とも仲良くした方がいいかな」
「別れてしまっていいのかな」
という思いも混在する。
でも、気持ちはしんどい。
グルグル悪循環になってしまっている状態ですね。
今の風潮として、「自分が楽になる生き方」ということが広く浸透しつつあります。
これは、「個人の幸せがまず優先」ということで、心理カウンセリングでも推奨する考え方です。
しかし、嫌な気持ちになると、一気に「転職(退職)」「縁を切る」「離婚」という選択肢を選ぶ流れが、今、多いような気がします。
ここは、(ケースバイケースですが)心理カウンセリング的には少し違うのです。
実は「苦手な人との人間関係に向き合う手順」というのがあり、私も心理学を学んで、初めて知ったことでした。
【環境操作は一番最後の手段】
苦手な人との、またパートナーなどの人間関係が上手くいかなかった時の手段として、「転職(退職)」「縁を切る」「離婚」があります。
この、「離れる」という手段は、一番最後に取るべきこととされています。
この手段は、その時はとても楽になり、手っ取り早い方法です。
でも手順を踏まずにこれをしてしまうと、「後悔」「心残り」「同じことの繰り返し」という要素が生まれてしまうんです。
・「後悔」「心残り」…離れた後に、しこりが残る。何かの拍子に昔の恋人と比較したり、思い出してしまったりする。
・「同じことの繰り返し」…自分の根本となる原因を見つけることが出来ないまま、環境だけが変わっている状態。同じようなシチュエーションや対象物への対応が学習できない。
(精神的苦痛が続き、身動きが取れない状態、または一方的な痛みを加えられている、などの場合は、早急な手立てや別離が必要です。)
【苦手な人との向き合い方の手順】
①から順番に行う7つの工程があります。
①相手の話(意見)を聞いてみる(アクティブリスニング)
②相手の話を聞きつつ、自分の意見も言う(アクティブリスニング+Iメッセージ)
③お互いの意見の良いところを合わせる(勝負無し法・Win-Win)
④自分が良いと思うことを示す
⑤相手が意見を聞いてきたら、相手が分かるように伝え、複数の提案をする。決断は相手がする。
⑥自分が変わる
⑦環境操作(転職、引っ越し、離婚)
なんと、環境操作(転職、離婚)の前に7つも工程があるんです。
逆に言うと、6つも「やり直せる方法」があるということです。
この⑦までの6つの工程の中で、苦手な相手との関係性が変わり、会社を辞めたり、パートナーと別れることなしに、気持ちが楽になるのを目指します。
最悪、⑦の環境操作まで行ったとしても、やることはやったという納得感が得られることで、「後悔」「心残り」は無いですし、自分も成長していますから、次の環境のところでは新たな自分で対応できるため、「同じことの繰り返し」は起こらないのです。
恋人同士の例を取って、ご紹介します。
【例:恋人とすれ違いばかりのA子さん】
A子さんは、彼氏が仕事が忙しく、会う日も少なくて、すれ違いばかり。
寂しくて、もっと一緒にいたい。こんな状態では、もう別れも考えてしまう。彼が仕事で頑張ってるのが分かるから我慢していたけど、今回は、2か月も会えなくて、爆発しそうです。
こんな時、よくとってしまうのは、「なんで、会ってくれないの?!ちょっとは私の事も考えてよ!」「私の事嫌いになったの?!」などのように言っちゃうこと。
そして彼氏は、「仕事なのに、なんでそう言うんだよ、分かるだろ!」売り言葉に買い言葉です。
感情に任せて「私の事を分かって」とお互いに言い合っていては、建設的ではありません。
①相手の話(意見)を聞いてみる(アクティブリスニング)
A子さんは、彼の気持ちを聞いてみることにしました。
「最近、会う時間が減ったわね。仕事忙しいんだね。」
「そうなんだ。納期に追われていてね。部署のみんなも、交代で休みを取ってるような状態だよ。」
…彼は、仕事での大変さを打ち明けてくれました。
A子さんは、彼の仕事の様子や気持ちを聞くことで、彼もしんどい思いがある事や私の事が嫌いで会わなかったのではないことが分かりました。
でも、自分の寂しい気持ちは、変わりません。
注1:このような、冷静に話を聞ける状態というのは、関係性が末期になっている場合は、どうにも難しいことです。人間関係の修正は、傷が浅ければ浅いほど、お互いに傷つかずにできます。少しモヤっとしたときに、早い目にとりかかれることがいいですね。
注2:ここで、自分の気持ちをスルーしない事。彼の仕事の大変さを知り、自分の気持ちを抑えてしままっては、後で爆発します。A子さんのように、自分の寂しい気持ちや会いたい気持ちは大切にすべきです。(もし完全になくなることができるのであれば、OK)
②相手の話を聞きつつ、自分の意見も言う(アクティブリスニング+Iメッセージ)
上記の①ができたら、自分の意見も伝えることが大切です。
自分の意見は、伝えなければ、相手は分かりません。たとえ恋人でも、伝えずに分かってくれ、はダメなんですね。
A子さんは、「私、あなたと会う日が少なくなると、『私の事が嫌いになってるんじゃないか』と思って、不安なの」と伝えてみました。
A子さんは今まで我慢をしていたので、気持ちを伝えたのは初めてです。
彼は、初めてA子さんが寂しい思いをしていることに気が付いたのでした。
これは、「I(私)メッセージ」といい、自分の気持ちを率直に伝えることにより、相手が行動を変えてくれる方法。
相手は、嫌な思いをさせていると気付いていないため、こちらが不快に思う言動を続けているのです。
あくまでも「私が不快に思っています」ということを伝えるだけになりますが、「こうしろ、ああしろ」と言うより、気持ちを素直に伝える方が、今の言動を変えてもらいやすくなるのです。
③お互いの意見の良いところを合わせる(勝負無し法・Win-Win)
相手の気持ちも分かり、自分の気持ちも伝えたA子さん。
彼氏と、話し合いを行いました。
彼は、こんな提案をしてきました。
・寂しくないように、空いてる時間に電話をするようにする
・(嫌いになってるかと思うと聞いて)好きだよ、と言う
・会えない不満ということであれば、一緒に住む
A子さんも、提案をします。
・週に1回は会う機会を作る
・寂しくないように、ペットを飼う
・毎日ラインで近況報告をする
・趣味を見つける
二人の間でひとつずつ検証し、この項目は今すぐに対応できない、片方に負担がかかる、これでも不安が残る…などの話し合いを行い、必ずできる約束事を二人で決めました。
最終的に、彼の今のプロジェクトが終わるまでは、彼の負担も考えて
・毎日ラインで一言ずつ近況報告をして、その時に好きだよとも言い合う
・A子さんは、週1回料理教室に通い、趣味を楽しむ
・週1は無理なので、2週間に1回は、食事に行くようにする
これを当分して、不満がまたでたら、考え直します。
また、彼のプロジェクトが終わったり、A子さんに安心感を感じて余裕が出てきたら、簡易に戻すことも可能です。
二人でアイデアを出し合って考えたことですから、不満は起こりません。
ビジネスの場ではおなじみのやり方ですね。
★★お互いが思いやっていける関係性であれば、この③までで、関係性は良くなります。
しかし、価値観が全く違う場合は、①~③では良くならず、次の段階に進みます★★
A子さんは、きちんと身なりを整え、自分をよりよく見せることが出来るのも大人だと思うタイプ。毎月洋服を買い、ファッションを楽しんでいました。
彼は、私服にはとても無頓着で、着れたら何でも良いというタイプ。洋服にお金をかけても仕方がない、と言っています。
A子さんは、彼に対して不満を持っていました。
④自分が良いと思うことを行動などで示す
A子さんは、自分のポリシーを持ち、彼の前でも、きちんと身なりを整えることに心がけていきました。
→彼が、いつもきちんと身なりを整えて奇麗にしているA子さんを見続ける(A子さんの価値観に触れる)うちに、良いことだと気持ちが変わり、ファッションに興味を持つ事があります。
その他の例として、遅刻ばかりのルーズな同僚に対しての不満を、自分はしっかり時間を守ることを貫き通し、時間厳守の大切さをモデルとして示す、など。
⑤相手が意見を聞いてきたら、相手が分かるように伝え、複数の提案をする。決断は相手がする。
少しファッションに興味を持った彼は、A子さんにアドバイスを求めてきます。
「僕にあったファッションってどんなのかな?」
A子さんは、彼にあったファッションパターンを3つ用意しました。
・これは、落ち着いて大人っぽくみえるわよ
・これは、カジュアルだけどおしゃれに見えるわよ
・これは、着心地重視で楽なのよ
そのうえで、彼が自分で好きなパターンを選んでもらうようにしました。
彼は、最終的に自分で選んでいるので、A子さんの押し付けにならず、満足するのです。
⑥自分が変わる(相手の価値観を理解する)
それでも、いつもだるだるな服を着続ける彼氏。
A子さんは、思い切って、彼氏の価値観を経験してみました。
外出時はきちんとしますが、家の中では、着古して普段は捨ててしまう洋服を着て過ごしてみました。
すると、家で起こりうる汚れなどに気を遣うこともなく、楽な時間を過ごす良さを理解できました。
ダルダルに見えていたスウェットなども、楽な姿勢で過ごすことに気づくこともできました。
「彼は、楽に過ごしたいんだな」ということが理解できました。
自分の価値観だけが正しい訳ではありません。
そこで、違う価値観を経験する(自分が変わる)ことにより、相手を理解できる可能性があります。
また、理解することが出来るだけで、自分は自分のポリシーを守りつつ、相手は相手の価値観なんだと、不満を解消できるようになります(自分が相手と同じにしないといけない、というわけではない)。
⑦環境操作をする(転職、引っ越し、離婚)
自分の価値観を変えることをしても、お互いに上手くいかない場合、転職や離婚など、別離の選択になります。
【自分も相手も尊重し、理解、納得することを目指す】
これだけの工程を踏む中で、お互いの価値観を理解することを目指していることが分かります。
そのためには、自分の気持ちも自分で尊重することが大切なんですね。
優しい人は、自分の気持ちを置いといて、相手に合わせてしまうこともありますが、それでは人間関係は上手くいかないのですね。
だからといって、そこまで頑固に自分を通さなければいけないのか・・・それを自分に問いかける工程でもあり、自己分析や成長に繋がります。
そこまで拘らなくてもいい、と自分が納得できれば、⑥までの間に自分が変わることで早く解決できることも大いにあります。
カウンセリングで良く出る言葉として、「人は変えられない」ということがあります。
自分が変えられるのは自分だけで、変わった自分の影響で相手が変わるということはあります。
お互いにその影響に気づき、どちらかだけが変わるのではなく、落としどころをつけるのが良い距離感です。
私もこの工程を初めて知って、やるべきことをしないと、色々な形で後で出てくるのだな、と分かりました。
自分が納得できるように、頑張ってみませんか!
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